井上尚弥のカウンターを徹底解説!ドネアやモロニーを破壊した方法とは?【動画あり】

ボクシング世界4階級制覇

2階級で4団体制覇(世界で2人のみ)

の偉業を達成した井上尚弥さん。

 

そんなモンスター・井上選手は、今までカウンターで

何人もの選手を破壊してきました。

 

その中でも特に美しく、凄まじかった

カウンターを徹底解説していきます。

ドネアを破壊した井上尚弥のカウンター

ノニト・ドネアにパンチを放つ井上尚弥

スポニチより

まず紹介するのは、フィリピンの英雄ノニト・ドネアとの2回目の対決で繰り出した

井上尚弥さんの

「ジャブを囮に使った右ストレートのカウンター」です。

 

このシーンです👇

ドネア選手の意識が一瞬、飛んだように思います。

 

井上尚弥vsドネアとの第1戦目(画像)

日刊スポーツより

井上選手は、約3年前にもドネア選手と戦っています。

この時は、井上選手がかなり苦戦を強いられました。

 

ほとんどの試合を4R以内にKOして終わらせる井上選手が、

ドネア選手との第一戦では12Rのフルランド戦い抜き、判定で勝利しました。

 

ドネアに2回TKOで勝利した井上尚弥(画像)

中日スポーツより

今回のドネア選手との2戦目では、

井上選手は1戦目のときのジャブを囮に使いカウンターのストレートを、

急所であるドネアのテンプルにピンポイントで撃ち抜きました。

(※テンプルとはこめかみのこと。場所は、目と耳のつけ根のほぼ中間にあるところ。ここに力が加わると、直接脳に振動を与える)

なぜこのカウンターが決まったのか・・

 ノニト・ドネアに右ストレートを喰らわす井上尚弥(画像)

THE ANSWERより

それは、ドネア選手と一戦目、

井上選手がドネア選手からもらっていたカウンターを伏線にしたからです。

 

ドネア選手との1戦目、

井上選手のジャブにたいして、ドネア選手が右のプルカウンターを何回か当てていました

(※プルカウンターは、相手のパンチを、上半身を後ろに引きながら交わし、その反動で打つカウンター)

井上尚弥にパンチを当てるノニトドネア(画像)

スポニチより

なので今回の2戦目でも、ドネア選手は井上選手のジャブに対し、このプルカウンターを当てることを、絶対に狙っていたと思います。

これを井上選手は試合前から予想し、ドネアのプルカウンターに対してのカウンターの練習をしていたと考えます。

 

 

ドネア選手は、井上選手が囮に使った左のジャブの打ち出しは見えていたと思います。

しかし、まさか井上選手の右ストレートまでが来るとは全く想像できなかったと感じます。

その証拠に、ドネアが前回と同様、井上のジャブに対してプルカウンターを合わせようとしたとき、車の正面衝突のように、井上選手の右ストレートが当たり、ドネア選手の意識が飛びました。

 

前回の試合の反省点を利用し、倍返しする井上選手の、

頭の良さがわかるカウンターシーンとなりました。

モロニーを破壊した井上尚弥のカウンター

モンスター・井上尚弥がラスベガスでジェイソン・モロニーをKOしたシーン(画像)

ARAB NEWSより

続いて、個人的に一番美しいと思う井上選手のカウンターが、

ジェイソン・モロニー戦で見せた

相手のジャブに合わせたノーモーション右ストレートです。

 

 

これがなぜ1番かというと、井上選手のカウンターの衝撃により、

モロニー選手の汗が綺麗に飛び散り、漫画みたいなシーンになったからです。

(👇左の動画)

 

井上選手にとってモロニー戦は、世界最大のプロモーター・トップランク社と契約してからのボクシング初戦です。

しかも会場はボクシングの本場ラスベガスのMGMグランド。ここから井上尚弥の第二章と本人も言っていました。

しかもコロナ禍で、観客は0人という、井上選手が何もかも初の経験の中、開催されました。

米ラスベガスのMGMグランドガーデンアリーナ(画像)

四国新聞社より

この緊張する中、井上選手は賢い戦略を立て、

それを完璧に遂行する冷静さと身体能力がスゴすぎます・・

 

カウンターシーンは、井上選手が顔面を前に出して誘導し、

相手がジャブを出したところに動作の少ないショートの右ストレートです。

 

動いている相手の顔面に、井上選手のカウンターが直撃しました。モロニー選手は膝から崩れ落ち、仰向けに倒れました。

このカウンターでモロニーが立てない理由

バンタム級世界戦でジェーソン・モロニーをKOする井上尚弥(画像)

時事ドットコムより

このモロニー選手の倒れ方は、

ボディとかの倒れ方と別で、脳が揺れたため自分の意思とは関係なく立てなりました。

綺麗にモロニー選手の顔面にヒットしたからです。

 

 

車の交通事故でも、同じ方向に走っていてぶつかるのエネルギーより、

逆方向からくる対向車同士がぶつかるエネルギーの方が強いです。

 

 

これはボクシングにも言えます。

相手がスウェーしているときにパンチが当たるのと、相手が攻撃してくる時にパンチを当てるのでは、衝撃の力が倍以上違います。

井上尚弥がモロニーをKOする(画像)

THE DIGESTより

なので、相手が踏み込んで向かってきたときには、

パンチを強く打たずに前に差し出すだけでも、すごいエネルギーが生み出され、今回のようなKOシーンになったと考えます

モロニーにカウンターがヒットした理由とは?

モロニーに右ストレートヒットさせる井上尚弥(画像)

THE DIGESTより

それは、井上選手の罠により、

ディフェンシブだったモロニー選手が好戦的になったからだと思います。

 

井上選手は、KOする前のラウンドの後半から、急にジャブしか出さなくなりました。KOするラウンドも右のパンチをほとんど出していなかったです。

それは、足を使って逃げまくり、ガードを固めるディフェシブなモロニーに、攻撃を出さすためです。

 

 

井上選手は、こういったラウンドごとにスタイルを変えれるところがモンスターたる所以です。

 

今回のモロニー戦では、井上選手は足で踏み込んで右のストレートやフックを使って攻めていましたが、

急に両足で跳ねるステップに変わり、前手のジャブしか打たなくなりました。

試合中にファイトスタイルをガラッと変える井上尚弥、恐るべしですね。。

井上尚弥のカウンターの秘密は「タイミング」と「スタイルの多さ」

井上尚弥選手のカウンターはなぜ、

きれいに相手の急所(あごやこめかみなど)にヒットするのか。

さらには、相手がダウンするほどのダメージを与えられるのか。

マーロンタパレスにカウンターを喰らわす井上尚弥

読売新聞より

最後にこれらの秘密をまとめてみました👇

ドネア戦

ノニトドネアをKOする井上尚弥(画像)

Number Web – ナンバーより

井上選手はカウンターを当てるタイミングが世界トップレベルです。

今回のドネア戦で繰り出したカウンターも、ドネア選手が踏み込んで向かってきたときに当てました。

 

 

このタイミングで繰り出されるパンチのエネルギーは、先ほどお伝えした車の交通事故のようです。

同じ方向に走っていて後ろからぶつかるエネルギーより、

逆方向に走っていて対向車同士がブツかるエネルギーの方が大きいです。

 

ノニトドネアからダウンを奪う井上尚弥

Yahoo!ニュースより

なので、今回のドネア選手のように向かってくる相手には、

振りかぶってパンチを強く当てずに、いつもより軽くパンチを当てるだけで、

すごい衝撃が生み出されます。

 

 

相手がスウェーして後ろに避けようとしているときにパンチが当たるのと、

相手がこちらに向かって攻撃してくる時にパンチを当てるのでは、

衝撃の力が倍以上違ってきます。

 

 

井上選手は、こういったパンチを繰り出すタイミングが世界トップレベルです。

相手にダメージが伝わりやすいタイミングにパンチを当てます。

「相手がこちらに向かってきたとき」

「相手が力を入れていないとき」

「相手の視界に入っていないとき」

などのタイミングです。

モロニー戦

井上尚弥がジェイソンモロニーに左ストレートを喰らわす(画像)

THE DIGESTより

ほとんどの選手が攻撃スタイルならずっと攻める

カウンタースタイルなら自分からあまり仕掛けないなど、

ファイトスタイルが一辺倒になりがちです。

 

しかし井上選手は、極端にパンチの数や種類、ステップを変えることができます。

これは日頃から色んな試合状況をイメージして、それに対応する練習をしていないと出せない思います。

 

相手との距離を測るパンチや、相手に攻撃を出させるパンチなどの数や種類

自分から積極的に攻めて、相手に攻撃を出させてカウンターをとる

ガードを固めてカウンター狙う

下がりながら相手のスタミナを削る

など、井上選手はスタイルの引き出しの多さ、それを試合で再現する完成度が高すぎます。

 

 

50戦無敗を誇るメイウェザー選手も、

試合の状況を何パターンもイメージトレーニングして用意します。

ほんの数パターンだけを使い、試合で勝ったことがないそうです。

メイウェザー選手は試合で、用意したパターンをいくつも変えて勝利します。

WBCベルトをいくつも持つフロイド・メイウェザー(画像)

Abemaブログより

 

井上選手はこういったパンチをくり出す「タイミング」が抜群、かつ、

試合中に相手の動きによってファイトスタイルを変える「スタイルの多さがあるので、

軽量級なのに90%近いKO率という、あり得ない数字を残しています。

 

結果だけでなく、観客を楽しませる試合内容もモンスターである井上選手。

これから井上尚弥選手がどんな伝説を残すのか、目に焼き付けたいと思います!

 

 

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